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卵の賞味期限はいつまで?加熱したら大丈夫?正しい保存方法や長持ちさせるコツを紹介!

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使い勝手がよく栄養豊富な卵ですが、うっかり賞味期限内までに消費できなかった、気づかないうちに期限を過ぎてしまったという経験はありませんか?

本記事では、卵の賞味期限や期限切れの卵について詳しく紹介します。

食べる時の注意点や長持ちさせる正しい保存方法も紹介するのでぜひ参考にしてください。

卵の賞味期限はいつまで?

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卵に記載されている賞味期限は、安心して「生食」ができる期限のことで、食中毒の原因になるサルモネラ菌が増殖しない期間を基準に定められています。

サルモネラ菌とは、人をはじめ牛や豚、ニワトリなど家畜の腸内や、河川や下水といったさまざまな場所に潜んでいる細菌です。サルモネラ菌は体内に入ると、6〜72時間潜伏し、吐き気や腹痛、下痢や発熱などの症状が現れます。

賞味期限内であれば、万が一殻にサルモネラ菌がついていても一定期間は卵のもつ殺菌作用で菌が増殖することはありません。しかし一定期間を過ぎてしまうと鮮度が落ちはじめ、卵の酵素の働きが弱まり、サルモネラ菌の増殖が一気に加速します。

そのため、卵の賞味期限はサルモネラ菌の増殖が活発にならない期間をもとに少し長めに設定されています。

また、期限切れの卵はサルモネラ菌が潜んでいるか判断できないので、万が一のためにも、生食しないようにしましょう。

卵の賞味期限は時期によって異なる

サルモネラ菌は20〜40℃前後の温度で活発になるといわれており、夏には増殖しやすく、生食できる期間も短くなります。

日本卵業協会によると、生食可能な日数は以下の通りです。

時期日数
夏期(7〜9月まで)産卵後16日以内
春秋期(4〜6月、10月、11月)産卵後25日以内
冬期(12月〜3月)産卵後57日以内
年間を通して14日程度

こちらはあくまでも目安の期限なので、期限が過ぎる前になるべく早く食べきるようにしましょう。

加熱すれば食べれる

冷蔵庫内で10℃以下に保存されていれば、賞味期限を過ぎた卵でも加熱して食べられます。サルモネラ菌は熱に弱い性質なので、70℃で1分加熱をすると卵についた菌を殺菌できます。ほかの材料と一緒になっている場合には、少し高めの75度で1分加熱すると安心です。

加熱すれば食べられるものの、安全面や鮮度を考慮すると、期限内に消費するようにし、消費し切れなかった分でも数日で食べきるように意識しましょう。

調理済みの場合はいつまで?

ゆで卵など、加熱済みの卵の期限は以下の通りです。

加熱の度合期間の目安
ゆで卵(固茹で)10℃保管で3〜4日
ゆで卵(殻なし)当日中
ゆで卵(ヒビあり)食べない
半熟卵(殻あり)ラップで密閉されてあれば、1〜3日
半熟卵(殻なし)当日中

固茹でしてあるゆで卵の場合、中まで火が通っているので3,4日は持ちますが、殻を外してしまった場合は、表面からだんだんと劣化が進んでいくのでなるべく当日中に食べるようにしましょう。

半熟卵は中心まで火が入っていないため、固茹での卵よりも保存期間は短くなっています。殻付きでもしっかりとラップで密閉し、冷蔵庫に入れるようにすると長持ちするのでおすすめです。

卵のからにはリゾチームという菌を溶かす作用のある酵素が含まれています。この抗菌作用によって、調理後の卵でも殻の中は菌の増殖が抑制されていますが、殻にヒビが入り、外気に触れてしまうとリゾチームの効果がなくなってしまいます。

そのため、殻にヒビが入ってしまったものの場合はいつどのタイミングで割れてしまったかわからず、どのくらい品質が落ちているのか判断ができないため、期限内であっても食べないようにしましょう。

賞味期限の切れた卵の見分け方

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賞味期限の切れた卵が劣化しているか確認する方法は以下の3点です。

- 色や匂いで判断する - 割った後の状態で判断する - 水に浮かべてチェックする

では、順番に解説します。

色や匂いで判断する

卵の賞味期限が過ぎた場合、まずは見た目をチェックします。腐った卵の場合、見た目が黒く変色し、香りは硫黄のような強い刺激臭がします。状態を見て少しでも違和感を感じたら、すぐに使用するのを控えましょう。

割った後の状態で判断する

鮮度の悪い卵の場合、割った後の状態にも鮮度のいいものとの違いが生じます。鮮度の悪い卵は割ると卵黄が白っぽくなっていたり、卵黄と卵白が混ざり合って出てきたりするものもあります。

それ以外にも、割った直後に卵黄が割れて溢れてしまうのも品質が劣化している状態なので、なるべく使わないようにしましょう。

水に浮かべてチェックする

卵の状態は、水を使っても簡単にチェックできます。冷水の入ったボウルに入れて卵が沈めば新鮮な卵という証拠です。その後は念のため見た目や匂い、割った後の状態も合わせて確認すると確実です。

一方で劣化した卵の場合は、水面に卵が浮かんできます。これは空気中に存在するバクテリアが、卵の殻の表面にある小さな穴から内部へ侵入することで作用するもので、卵が痛む原因です。

傷んだ状態からさらに時間が経過してしまうと、内部に侵入したバクテリアが卵を食べはじめます。これによって、卵が腐った時にはなつ強い刺激臭が起こります。そのため、浮かんでくる卵は使わないようにしましょう。

卵の正しい保存方法

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卵の品質を劣化させないためには、保存方法も大切です。ここでは、卵を長持ちさせる保存方法を紹介します。長持ちさせる保存方法は以下の3つです。

- パックごと保存する - 来ないの奥の方へ収納する - 卵の向きに気を付ける

では、順番に解説します。

パックごと保存する

卵は基本的に、冷蔵保存が必須です。買ってきた卵は、なるべく購入時のパックのまま保存すると安全です。

卵は事前に厳重に殺菌・消毒されてから出荷されますが、万が一微量なサルモネラ菌が付着してしまった卵をパックから外して庫内へそのまま置いてしまうと、サルモネラ菌が冷蔵庫内に広がってしまうリスクがあります。

パックの卵が減っていくと、省スペースのためにどうしても中身を取り出したくなりますが、食中毒のリスクを下げるためにもそのまま保存するのがおすすめです。

庫内の奥の方へ収納する

卵の長持ちする保存方法には、収納場所にも注意が必要です。ドアポケットは卵を置くにはサイズもちょうど良く簡単に取り出せて便利ですが、冷蔵庫を開閉した際の外気が伝わりやすく、保存温度が不安定になるというデメリットもあります。

また、強く扉を開閉すると卵に振動が伝わりやすく、ヒビが入ってしまう可能性もあるので、ドアポケットではなく冷蔵庫内の吹き出し口とは反対側の奥部へと、パックごとしまうようにしましょう。

吹き出し口の近くに収納してしまうと、冷気が当たりやすく凍ったりヒビ割れたりするリスクもあるので、冷蔵庫内の環境を確認してから収納するのがおすすめです。

卵の向きに気を付ける

卵を保存する時には、尖っている面を下にするのがおすすめです。丸みがある面には、卵の空気部屋である「気室」という部屋があり上向きにすると卵の中身が安定します。

市販のパックで販売されているものは、上記のような向きになっているので、購入の際はぜひチェックしてみてください。

常温保存できる?

製菓用などで使われる卵は室温に戻すために常温で放置されることが多いですが、長時間は厳禁です。常温で置いておく場合には、2時間を目安にしましょう。

また、卵を割ったままにしておくと、空気に触れる面積が増え、細菌が繁殖しやすい環境となり劣化しやすくなります。常温に置いた卵を使う場合は、割った後に放置せず、すぐに使うように心がけましょう。

卵は冷凍保存が可能

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卵は冷凍保存が可能なのをご存知ですか?期限内に冷凍すれば、品質を劣化させることなく期日を過ぎても解凍して料理に使えるので、ここでは卵の冷凍方法について紹介します。

卵白のみ冷凍

生の状態の場合、卵白は冷凍保存が可能となっており、解凍する際に多少の水分が出ますが、すぐに元の状態に戻り問題なく利用できます。

一方卵黄は冷凍保存には適さず、解凍しても固まったままの状態で加熱してもボソボソでダマになりやすいので、加熱せず保存する場合は卵白のみを冷凍するようにしましょう。

加工してから冷凍

卵は生のままでは冷凍に適しませんが、加工することで冷凍保存が可能です。炒り卵や錦糸卵など加熱調理をしてから冷凍すると、解凍するだけで食卓に出せて調理の手間が省けます。

ゆで卵は固茹でにした卵を使い、殻を剥いてから水分がでないように、ラップをして保存袋へ入れます。食感は冷蔵のものよりかはボソボソになりますが、他の具材と合わせるなどアレンジの幅が広いのでおすすめです。

錦糸卵や炒り卵に関しては、作った後は完全に熱をとってからラップで小分けにし密閉容器に入れます。粗熱が残ったまま保存してしまうと、庫内の温度が上がるだけでなく、卵の品質も劣化しやすいため、早めに冷まして冷凍するようにしましょう。

冷凍日数が長ければ長いほど卵の風味がとんでしまうため、2週間前後を目安に使うようにするとおいしい状態のまま食べ切れます。

解凍方法

加工した卵や卵白の解凍方法は大きく分けて自然解凍、庫内解凍、電子レンジ解凍の3つです。

一番安全なのは、低い温度でじっくりと解凍していく庫内解凍ですが、時間がかかるため、前日の夜に移しておくと、忙しい朝でもすぐに使えます。

自然解凍は、弁当の具材に重宝します。凍ったままの状態で弁当に入れておくことで、夏の暑い時期には保冷剤代わりになるうえ、食べる時にはちょうどよい加減で解凍されるのでおすすめです。

また、忙しい時には電子レンジの解凍モードを使って解凍できますが、加熱しすぎると、かえって固くなってしまう可能性があるので、少しずつ確認しながら解凍するようにしましょう。

正しい保存・調理法を知って無駄なく美味しく卵を食べよう!

卵は賞味期限内に食べ切るのが理想的ですが、万が一賞味期限が切れてしまっても状態を見て加熱すればおいしくいただけます。

栄養が豊富な卵を無駄なく積極的に摂取し、日々の健康に繋げていきましょう。

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